ノーベルの話

投稿者: | 2006-03-23

ノーベル賞を創設したアルフレッド・ノーベル。彼が遺言でこうした賞を設けることを書き残すに至った背景として、次のような逸話が伝えられています。


彼はダイナマイトを発明したわけですが、もともとは工事の際の発破など、社会にとって有用な目的に使われるものと考えていました。ところが現実には、爆弾に利用されるなど、殺戮の道具ともなってしまいました。

そしてある時、手違いから彼の弟が亡くなった際に、彼自身の死亡記事が新聞に載ってしまったのです。それも、ダイナマイトを発明した偉大な化学者としてではなく、人類に多大な災厄をもたらした「死の商人」として。そのことに強い衝撃を覚えたノーベルは、ダイナマイトの発明などで手にした莫大な財産を、人類の知的進歩を顕彰することに役立てようと考えたといいます。

このエピソードに関して興味を惹かれるのは、次の点です。本人の自己評価と社会の評価は必ずしも一致しないということ。遺産を活用することによって、人は社会に大きな貢献をする力があるということ。そして、何かを思い立って実行するのに「遅すぎる」ということはないということ。

自分自身を振り返るきっかけとして、「もし自分の死亡記事が新聞に載ったら、どんな風に書かれるだろうか」「お葬式での弔辞で、友人は自分の人生をどう総括して語ってくれるだろうか」といったことを仮想してみてはいかがでしょう。残りの人生をどんな風に送るか、いいヒントが得られるかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください