最近、ネットの一部で終末期医療をめぐる議論が熱くなっています。
NHKがたびたびその種の番組を放送していることも、影響していることでしょう。先週には、ちきりん氏による「終末期医療について考えよう!」というエントリー、それに対する匿名医師Aprildiamondの反論が大きな反響を呼ぶ、ということがありました。
こうしたことが多くの人の関心をよび、議論が交わされること自体は大いに結構だと思います。ただミクロの話ばかりしていて、マクロの視点を置き去りにするのでは、あまり生産的ではないでしょう。すなわち、人口の高齢化がますます進む我が国では、医療や介護といった分野に経済的・人的資源がどんどん吸い取られていくがそれでいいのか、という問題です。
医療や介護という分野には、それなりの働く喜びや学びの機会があるかもしれません。けれどもトータルで考えると「後ろ向き」な営みです。たとえばの話、人々の稼ぎの半分がそうした分野への支出に費やされ、現役世代の3割4割がそうした業務に従事するとしたら、それは健全で好ましい社会と言えるでしょうか。私は、そう思いません。
もちろんこれは私の考え方ですので、賛同できないという人が一定数いるであろうことは承知しています。ただ私の考えが圧倒的少数派で、無視してもいいほどの存在だとも思いません。私の立場から看過できないのは、多くの人にとって必ずしも好ましくない方向にズルズルと進んでいるのではないか、という気がするからです。
「医療や介護に際限なく人手やカネをつぎ込んで、本当に良いのか?」と、今後も訴え続けていくつもりです。