2億円の寄付

投稿者: | 2006-03-25

昨年4月に96歳で亡くなった女性が、遺言で兵庫県西宮市に2億円の寄付を申し出ていました。このほど、親族によってその遺言が実行されたそうです。女性は、「経済的に恵まれなくて才能を伸ばせない人のために役立ててほしい」と遺言していたとのこと。


「向学心ある人に」女性遺言2億円寄付 市が奨励金 西宮(asahi.com)

記事によると、遺産はともに裁判官であった亡き夫と娘から受け継いだものだそうです。その夫と娘も、生前子供・若者たちを支援する自発的活動をしていたというのですから、この遺言は、夫と娘の遺志を継いだものでもあるように思えます。

戦後間もない頃に闇米に手を出さず餓死した裁判官がいましたが、裁判官の中にはこんな風に高潔な方がいるものなんですね。

寄付を受けた西宮市は奨学基金(女性の姓から取って「高橋奨学金」)を創設するそうです。女性の、そしてこの高橋家の「志」を活かせるよう、知恵を絞っていただきたいものです。

たとえば、
・奨学金を受けた学生が社会に出て経済的に安定したら、わずかな額でもこの基金にプラスアルファの「お返し」をするよう奨励する(もろちん、強制はしない)。
・市民からこの基金への寄付を募る。できれば、市税などでの優遇措置を設けた上で。
・奨学金は、学生への直接支給だけでなく、同様の目的意識を持った団体・個人への助成にも充てる。
・この基金の存在を軸に、西宮市を「教育のまち」として発展させていく。
などという風に。

金が万能、というのは誤った思想かもしれません。ただ、こんな風に「志」のこもったお金というものは、時としてとてつもないパワーを持ち得るものです。また、それを活かせるような社会でなかったら、あまりに不甲斐ないと言わざるを得ません。

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