「老後破産」や「老後貧乏」の危険性を煽る本がいくつも出ていて、結構売れているようです。
(16日の次回「NHKスペシャル」も、老後破産がテーマです。観たいような、観たくないような・・・)
年金頼みで収入を増やすすべを持たない人にとっては、「破産」は恐ろしい事態でしょう。悪夢と言っても良いような。
ただ私は、過度に不安を煽るのは長い目で見て日本のためにならないのではないかという印象を持っています。高齢者の倹約意識を強め、消費の停滞を招くのではないでしょうか。あるいは、社会保障制度改革への抵抗感が増して、なすべき改革がさらに遠のくかもしれません。
皮肉な言い方をすれば、人々が破産を恐れるあまり、日本という国の破産を招き寄せる結果にならないでしょうか。
もちろん、人々が堅実なマネープランを持ち、きちんと家計を律していくことは重要です。ただ悲惨な例をことさらに集めて「あなたも、一歩間違えばこうなる!」と脅すのでは、悪しき不安商法と言われても仕方ないでしょう。
NHKや、老後破産について積極的に発言している人には、節度を求めたいものです。