世代別選挙区というアイデア

投稿者: | 2016-04-15

財政上の世代間不公平を緩和するための策として、世代別選挙区というのを提案する向きがあります(この前読んだ「消費増税は、なぜ経済学的に正しいのか」でも、このことを含む選挙制度改革に多くのページが割かれていました)。

今のように地域別に国会議員を選ぶやり方に、世代別の代表性という要素を組み合わせるというわけです。仮に世代を3つに分けるとすれば、選挙区の広さはざっと3倍ほどになります。

私はこの提案には、今のところ反対です。世代間で利害の違いがあるのは確かでしょうが、こうした制度を設けると、世代間の対立や憎み合いを固定化させるだけではないでしょうか。制度によってではなく、国民の自覚によって世代間不公平が緩和されていくのが望ましいと考えます。

上記の提案をしている人たちからは、「甘すぎる!」と言われるかもしれません。

ただ、後の世代ほど人口が少なくなる我が国において、現役世代が高齢者を支えるという賦課方式の社会保障制度が持続不可能なことは明らかです。あとの世代ほど、その事実をきちんと知るようになるのではないかと思います。「自分たちの世代が多少損することがあっても、未来の世代にツケを回さない」という意識が世代を経るに従って広まって行く、という期待は持っても良いんじゃないでしょうか。そして、未来の世代にツケ回しするのは破廉恥だという意識も。

私も微力ながら、世代間不公平の問題を世の中に訴えて行きたいと思っています。子のない自分ですが、それが未来の日本人に対する責任だと思っていますので。

責任というより義務と言った方が良いかもしれません。上の方では「世代間不公平を緩和」と言いました。解消するのは恐らく不可能ですので。だからこそ、先に生まれた世代は後の世代のためになることを少しでもする義務があると思うのです。「財政的児童虐待」という言葉があります。虐待の加害者として、後の世代から恨まれても平気なんですか?という話です。

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