「子の無い人生」を自己正当化すること

投稿者: | 2016-05-13

最近、結婚しているしていないにかかわらず、「子の無い人生もありなんじゃないの」といった意見が目に付きます。

きっかけは、女優・山口智子の発言あたりでしょうか。

山口智子の産まない発言で「夫婦だけ」という選択肢に市民権│NEWSポストセブン

山口智子(51才)が『FRaU』3月号(講談社)で「子どもを産むつもりはなかった」「いまでもいっぺんの悔いもない」などと思いを赤裸々に語ったことが話題となっている。この発言は子どもを産まない選択をした女性にとって励みとなるものとして受け入れられた。

子どものいない人にはそれぞれの事情や思惑があるでしょうから、親族ならともかく他人が「お前の人生には欠陥がある!」などと決めつけるのは余計なお世話です。ただ一方で、どんな事情があるにせよ子を持たないということは社会人として大人として重要な経験を欠くことになります。一定程度の負い目や引け目はあってしかるべきで、「これも私の人生なんだ!」と高らかに肯定するようなものでもないと思うのです。私自身、子の無い人間の一人として。

(この辺、女性と男性では意味合いや感じ方などが違うでしょうから、話を分けた方がいいような気はします。「父になったことのない男」と「母になったことのない女」では、本人の意識はもちろん周囲の目も違いますよね。山口智子はああした発言しちゃったことで、今後映画やドラマで母親役として起用されにくくなったんでじゃないでしょうか)

子の無い人間は、親となった者が持つ経験をごっそり欠くことになります。喜びや悩み、そして成長の機会といったものを。反面、時間やお金の自由度は高い。負い目や引け目をバネにして、「子孫を遺す」のとは別の形で社会に貢献する責務があるのではないでしょうか。もとより、どの分野でどんな貢献をしようとするかは、各人の自由だと思いますが。

「子の無い人生」が堂々と認められるようになったとき、我が国の出生率はまた一段階低下するかもしれません。「希望出生率」は現在1.8ほどとされていますが、それが1.3とか1.5ほどになり、実際の出生率が限りなく1.0に近づいていくとか・・・。いいんですかね、それで。

18日のNHK「あさイチ」が、このテーマを取り上げる予定だそうです。観てみるつもりです。

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