死に際のことについて語ることが多いものですから、「さいご」という言葉をよく使います。
タイトルに掲げましたように、「さいご」には「最期」と「最後」があります。この違い、説明できますか?
辞書で引くと、
さいご【最後】
(1)幾つか続いているものの最もあと(うしろ)に在ること(もの)。
(2)もうあとが無いこと。おしまい。さいご【最期】
〔生命の最終の時の意〕滅亡・死亡の時期。
となっています(三省堂「新明解国語辞典」より)。最後は回数でのさいご、最期は時期でのさいご、とでも言えましょうか。
ちなみに前者の用例としては「最後の一線を守る」「最後の望みを託す」「にらまれたら最後だ」などがあり、後者の用例としては「ローマ帝国の最期」「最期をみとる」などが載っています。
遺言に関連した分野についていろいろ勉強していると、用語がルーズに使われているのに出くわすことが少なくありません。特に葬式の分野は、一般の人の誤用が混乱の元になっていることも結構あります。「密葬」はその最たる例でしょう。
私も遺言専門家を志す以上は、用語に対して厳密でありたいと思います。
ところで死に際のことを「いまわ」と言います。これも本当は「いまは」が正しいと思うんですけどねぇ。「こんにちわ」って、書かないでしょ?