これからの日本は、お金の面と人手の面の両方において、医療・介護の負担をどう抑えるかが重大な問題になってくることと思います。
はっきり言えば、この二つの分野にお金と人的資源がブラックホールのように吸い取られ、「このままじゃマズいだろ!?」というのが誰の目にも明らかになってくるでしょう。それも、そう遠くない将来に(恐らく2020年代の後半までには)。
その一つのカギになるのが、国民の健康・医療リテラシーの向上だと見ています。そのことが病気になるのを防ぐ一度予防のみならず、早期対処する二次予防、回復と再発防止を図る三次予防の効率を上げてくれるでしょうから。
また国民全般の医療・健康リテラシーが高まれば、医療者や介護者にとっても仕事の負担がいくらか軽くなるはずです。時間がより短縮化され、コミュニケーションがより円滑化され、精神的ストレスが軽減されるという風に。今のままだと仕事が大変→離職者が増える→残った者がますます大変に、という悪循環がどんどん進みかねませんので、この点は重要です。
現状は、テレビを中心とするメディアがセンセーショナリズムや単純化に走って、むしろリテラシーの低下を招いているような気さえします。以前は「専門家にお任せ」だったので単に問題が顕在化しなかっただけかもしれませんが。それはともかく、いたずらに消費者意識が付いていてしかも不正確な医療知識しか持っていない人たちをも「患者様」と呼ぶのは、悪い冗談としか思えませんねぇ・・・。