明るい「遺影」

投稿者: | 2008-12-25

NHKのドキュメンタリー「にっぽんの現場」。昨日は”明るい「遺影」”でした。

2月に放送した分に後日談を加えて再構成したようです。

滋賀県のデイサービスセンターで開かれている「遺影撮影会」。お年寄りと対話しながら最高の表情を捉えようという撮影会場に密着、フィルムに重なる人生の輝きを見つめる。

2008年2月に「ドキュメントにっぽんの現場」で放送したお年寄りの「遺影撮影会」。滋賀県湖南市にあるデイサービスセンターで、一人一人と対話しながら最高の表情をとらえようという撮影現場に密着した。放送後も「自分で納得できる遺影を手にしたい」という人が相次ぎ、今も撮影会が開かれている。遺影を撮ったお年寄りのその後、新たにカメラの前に立った人たちを訪ね、フィルムに焼き付けられていく人生の輝きを見つめる。

この企画を発案したデイサービスセンター所長(余談ですが不思議な色気のある女性でした)の話によると、もともとお年寄りの話に「死の準備」を思わせる内容が多かったことから発想したとのことです。案の定というか、この企画は多くのお年寄りに歓迎されたのでした。この辺は、それこそ現場にいないと出てこないアイデアですね。

この撮影会の特徴は、写真を撮る前や撮っている最中に、カメラマンの大西暢夫さんがお年寄りからこれまでの人生についてインタビューするということ。それぞれの方が自分の人生に誇りや自負を持っておられて、それが口をついて出ると同時に、その人らしい、いい表情が出るそうです。できあがった写真が単に作り笑いを浮かべたものとは全然違うのは、そこに秘密があります。

思ったのは、遺影ということをあまり強調・意識せず、折々のポートレイトを遺しておくといいんじゃないかな、ということです。これからはビデオ映像を遺すことも一般化するでしょうが、写真には写真の良さがある気がします。

番組では、カメラマンの大西暢夫さんにもかなり焦点が当たっていました。ダム建設で消えゆく村のお年寄りを撮影した写真集が代表作だとか。自身、お父さんが交通事故に遭われて重傷を負って以来、親の写真を意識して撮るようにしたとのこと。ここまで来れば、カメラマンの中でも老人を撮ることにかてはプロ中のプロですな。私より2歳上の方ですが、とても価値のあるお仕事をされているなぁ、と感じ入りました。

葬儀については簡素化・低コスト化が必要と考える私ですが、こういうところに手間やお金を掛けるのはとてもいいもんだと思います。

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