直葬から見えてくるもの

投稿者: | 2006-04-18

直葬とは、いわゆる葬儀・告別式をせずに、火葬だけで葬送を済ませてしまうことです。徐々にではありますが、増えてきているようです。


葬儀の簡素化が大きな流れとなっていますが、この直葬は、簡素を極限まで推し進めたものと言えるでしょう。費用は30万程度といいますので、その部分はまだ圧縮の余地がありそうですが。

私自身も葬式無用論者ですから、直葬派に入ります。火葬するまでに仰々しい儀式をすることは、利点より弊害が多いと考えるからなんですね。火葬まではごく近しい身内だけで、しみじみと故人の死を受け止められる環境であるべきじゃないでしょうか。

この直葬、選ばれる動機は様々でしょう。中には、というか少なからぬ部分が、お金をケチったり、故人への追悼の念を欠いているために、「無駄なことはしない」というような感じで選ばれているようです。日本人の家族がいかに殺伐としたものになっているか、端的に表しているようです。

ただ、こうした現象のみをとらえてそれを批判してみても、仕方ないものです。それだけ多くの家族が、名は家族でも絆らしい絆がないものに成り果ててしまっているということでしょうから。

よく死生学で「*人称の死」ということが言われます。普通は家族こそが「二人称の死」の代表格なんでしょうが、ある種の人たちにとっては、親や兄弟の死(中には配偶者の死)も「三人称の死」になっているということなんでしょうね。

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直葬、ひそかに増加(東京新聞)

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