休眠預金をかすめ取るようなNPOには寄付しない

投稿者: | 2016-11-23

休眠預金を活用する法案が22日に衆議院を通過、参議院に送付されました。

今国会で成立するものと見られています。

休眠預金法案が衆院通過 年500億円、NPOや自治会に配分へ – 産経ニュース

休眠預金・休眠口座をNPOの資金源とすることには、このブログで再三反対を表明してきました。要は「休眠預金から金受け取ってるなら、寄付しなくても良いよね」という風潮が出てきて、かえって日本のNPOの成長を阻害すると考えるからです。

休眠口座の件は、日本のNPOに大打撃となるかも( 2012-02-17)
休眠預金の件では、NPO畑の人に失望(2014-01-26)

こう言っては何ですが、年間たかだか数百億円のために、広く市民から寄付を集めることを蔑ろにするというのは愚かだと思います。後者はうまくやれば兆の単位まで行くかもしれませんが、この休眠預金の件でその「夢」は絶たれると考えた方が良いでしょう。この件を推進しているNPO関係者には「志が低すぎるだろうが!」と罵声を浴びせたい気分です。

代替案として提示したいのは、休眠預金の使途は各金融機関に任せ、それがどの程度CSRなど社会貢献活動に使われているか、どこかのNPOがレポートとしてまとめる、ということです。これなら市民からの反発は全く出ないのではないでしょうか。こういう点でのセンスのなさに、「だから日本のNPOはいつまで経っても二流、三流なんだよ」と言いたくなります。

とりあえず私としては、

  1. 資金の流れがはっきりするまで、国内のNPOにはいっさい寄付しない
  2. 具体的な流れがはっきりすれば、当該の団体には寄付しない

という方針で行こうと思います。不買運動ならぬ不寄付運動ですね。

この件には自民、公明、民進、維新などが賛成、共産党が反対しているそうです。共産党と意見が一致することはほとんどないですが、これに関しては共産党のスタンスの方が民意に沿っているのではないでしょうか。

休眠預金活用法案での宮本徹議員の反対討論/衆院委

本法案には、主に二つの点で問題があると考えます。

第一は、預金者である国民の理解です。

年間約500億円もの休眠預金を利用することになりますが、活用先は3分野を限定的に列挙しているだけです。「社会の諸課題を解決するための革新的な手法の開発を促進するための成果」に着目した助成等を選択すると基本理念に書き込んでおり、以前から地道におこなっている活動への援助がおろそかになる懸念があります。

・・・

もう一つは、不正を排除する制度設計が不十分な点です。資金の配分方法を決める人が受け取り活用する側とならないようにする仕組みや、支援する活動内容等を公開し第三者の監視機能を生かすための規定が盛り込まれていません。多くの制度設計が成立後の内閣府令や運用に委ねられており、不十分だと言わざるをえません。

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