がん教育は何を目指すべきか

投稿者: | 2016-11-23

NHKのローカルニュースで、がんの授業のことが取り上げられていました。

高校でがんの理解深める授業 – NHK 首都圏 NEWS WEB

授業は、日本人の死亡原因として最も多い「がん」を若い世代に正しく理解してもらおうと県立日高高校が企画し、22日は1年生の生徒、30人が授業を受けました。

生徒たちは、はじめに講師をつとめた保健体育の教諭から、日本人の2人に1人ががんになることや、検診を受けて早期発見できれば、高い確率で治すことができる現状について説明を受けました。

高校生の段階ではがんに関してはほとんど無知でしょうから、基礎知識みたいなものを教え込むのは良いことだと思います。ただ、10代の子たちにとっては親ですら40代前後でしょうから、ほとんどの生徒にとってがんは差し迫った問題ではあり得ません。授業であれこれ言われても、右から左へ抜けていく、というのが実情ではないでしょうか。

大人になり身内や友人などががんになれば、嫌でもがんについて学ばねばならない時が来ます。その際に最低限必要なリテラシーのようなものを涵養できれば上出来でしょう。

大切なことは、がんについてはまだわかっていないことが多いこと、個人により患部により病態などが大きく異なることをきちんと理解し、頭に刻み込むことでしょうね。がんについての学びは一生続けねばならない。そんな意識を持ってもらうことこそが、学校での授業にできることの精一杯ではないでしょうか。

一方、我々大人にとっては「10代の子に1時間弱の講義でがんを理解してもらおうとしたら、どんな授業にするだろうか」というのを考えてみるのは良い頭のトレーニングになりそうです。何事でもそうですが、他人に教えるために自分の知識を整理すると、理解度が格段に深まりますので。

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