がん患者や認知症患者などの当事者による語りは、いろいろ勉強になります。
それが身近な患者と接する時に役立つかと言われると疑問ですが、自分がいざそうした病気になった時への心構えのようなものができると信じています。患者になったあとも悩みや迷いはあるでしょうが、それに多少なりともうまく対処できるのではないでしょうか。
中でも、医師や看護師などの医療者が患者になった時の語りには、学ぶべきところが多いですね。「診る側・看る側」と「診られる側・看られる側」の両方を知っているがゆえの気づきがあるように感じられるからです。
逆に言うと、患者の立場しか知らない人にはやはり偏りや一方的主張が垣間見えることがほとんどです(特に患者団体などを組織して「患者として物言う」というのが板に付いてしまっている人たち)。だからこそそうした狭い視野を脱している人を見つけると、とても尊敬します。
それはさておき、非医療者としては上記のように感じているわけですから、患者になってしまった医療者は、思ったこと、感じたこと、気付いたこと、そして改善に向けたアイデアなどをどんどん発信してほしいものです。一つには医療の世界に向けて。そしてもう一つは、既に患者になった人・これから患者になるかもしれない人に向けて。
義務とは言いません。ただ医療者になるというのは生き方の選択そのものなので、何かしら言いたくなるのが自然だと思うんです。「(体験が重すぎて)言葉にしづらい」ということもありましょうが、それ自体が重大なテーマです。医療に長年携わった人が表現できないとしたら、門外漢の人たちはどうすれば良いの?と。
参考記事:つなごう医療 中日メディカルサイト | がんで余命宣告受けた医師 患者になって「ずれ」感じた
ちなみに、医師・看護師×男性・女性の組み合わせを並べると、
- 男性医師
- 女性医師
- 男性看護師
- 女性看護師
となります。男性看護師は極端に少ないので無視するとしても、あとの3つではいろいろ違いがありそうですね。細かいこと言えば、診療分野によっても違うでしょうし、看護師より「下」にはいろんな医療専門職があるわけですが。