この数年「下流老人」や「老後破産」といったテーマがメディアによく出るようになりました。
年金が少なすぎたり、生活費や医療・介護の出費が想定以上に掛かったりして家計が破綻する高齢者世帯は、確かに増えているのでしょう。ただ時折、「不安を煽りすぎじゃないの?」と感じることがあります。
一般の人たちの老後への不安が必要以上に高まっていることが、長く続く消費不振の根底にあるのではないでしょうか。無理に楽観論を持つ必要はありませんが、リスクという観念を持って不安の度合いを適切に抑えることは必要かとと思います。
一方で、政治には危機感が足りなさすぎるような気がします。個々の政治家で危機感持っている人はいるでしょうが、政治の話題にあまりならない。こちらでは明らかに備えが不十分な気がして、それがかえって国民の不安感につながっている部分もあります。「年金制度はこの先も大丈夫です!」と政治家に自信満々にいわれても、真に受ける人はほとんどいないのではないでしょうか。
日本は今後ますます人口の高齢化が進み、財政も厳しくなっていきます。将来への悲観論が高まり、それがますます経済を萎縮させる、という悪循環が進みかねません。簡単に解決策を見いだせるものではありませんが、過度に不安や悲観論をかき立てるような言説には厳しく対処した方が良いですね。
もちろん、自分自身もそういうのを煽る側に回らないよう気を付けたいものです。何せこの先40~50年くらいはこの国で生きていくつもりですので。