出生数がついに100万人割れ

投稿者: | 2016-12-26

先日、厚生労働省が今年の人口動態推計を発表しました。

平成28年(2016)人口動態統計の年間推計|厚生労働省

ニュースなどで話題になったのが、ついに年間の出生数が100万人を切りそうだ、という件です。98万1千人との推計ですので、多少の誤差があったとしても100万人割れとなるのは確実でしょう。

ことしの出生数 推計で初めての100万人割れ | NHKニュース

厚生労働省は、毎年1月から10月までに国内で生まれた子どもの人数などを基に、その年の出生数の推計をまとめています。

それによりますと、ことし1年間に国内で生まれる子どもはおよそ98万1000人で、明治32年に統計を取り始めて以降、初めて100万人を下回る見通しになりました。

去年の確定出生数が100万5千人台でしたから、今年100万人を切るのは既定の流れでした。それでも、やはり100万人割れの象徴的な意味合いは大きいです。見通し得る将来、日本の年間出生数が100万人を超えることは二度とないでしょう。2015年は日本の歴史において「最後に100万人以上子供が生まれた年」となるわけです。

政府は「50年後も人口1億人程度を維持」「希望出生率1.8の実現」を掲げています。さすがにこれは、実現が不可能ではないにしてもきわめて困難な目標だと考えます。

出生率向上に向けた施策を引き続き模索しつつ、あわせて少子高齢化や人口減少に適合した社会・経済の仕組みを構築していかねばなりません。私から見ると、まだ日本社会は少子高齢化の本当の怖さに向き合っていません。今回のいわば「100万人割れショック」も一つのきっかけにして、変革に向けた議論、さらにその先の実践を急がなければ。

社会の平均年齢が上昇し、いわば日本全体が老いていくと、変革に向けたエネルギーがますますしぼんでいくという悪循環が起こりかねない、という危惧を持っています。高齢化の怖いところは、問題点はわかっているのにそれに向けた対策がなかなか動かない、というフットワークの鈍さにあるのかもしれませんよ。

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