「経済成長しなくてもいい」という議論

投稿者: | 2017-01-10

朝日新聞の編集委員の人が正月に出した長文の記事が、ちょっとした話題になりました。

経済成長は永遠なのか 「この200年、むしろ例外」:朝日新聞デジタル

今の日本が3%や5%の成長を取り戻せると考えている人はいないでしょう。そしてもちろん、何が何でもそれを達成すべきという人も。

ただ生産年齢人口が急速に減っていく中にあって、せめて国民一人当たりのGDPは横ばい程度を保たないと、日本のGDPはそれこそつるべ落としのように縮小していきます。「成長なんて要らないんだ!」などと開き直ったら、国民の生活水準がだだ下がりになり、各種の社会保障制度も大幅な切り下げを余儀なくされます。縮小均衡という悪循環が進んでしまうのではないでしょうか。その時、「痛み」が集中するのは朝日新聞などが味方する貧者や社会的弱者となることでしょう。

幸か不幸か、今の日本は経済成長のために打てる手を全て打ったとは言い難い状態です。規制を改革してビジネスを活性化させるだとか、社会保障制度を改革して国民の将来不安を軽減させるだとか、各種のイノベーションが経済活性化につながるような制度・仕組み作りであるとか。経済成長なんて無理だと諦めるのは、こうしたやるべきこと・やれることをとことんやってからで良いのではないでしょうか。

人口が高齢化する日本において、実は一番恐ろしいのは「どうせ無理だ」「やっても無駄だ」という諦めが蔓延することかもしれません。それこそが自己実現的に経済成長を止めてしまうことだって考えられます。諦念というか敗北主義と呼びたいですね。

この先も長く日本で生きていくつもりの我らは、諦めるのはまだ早い!と言い続けていかねばなりません。

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