「死を想う」レッスン

日常生活に追われて日々を過ごしていると、「死について考えよ(メメント・モリ)」と言われてもなかなか難しいものがあります。

やはり意識的にそうした時間を持つなり、他のことから離れて思索する機会を持つ必要があるでしょうね。

世の中には「死の模擬体験」というワークショップの手法があります。自分にとって大切な「モノ」「思い出」「人」「活動」をそれぞれ5つずつ、計20枚のカードに書き出します。そして、自分が不治の病であるとしたら何から順に手放していくか、実際にカードを破棄しながら思い浮かべる、というものです。

実際にやってみると気づきのようなものが訪れるのかもしれませんが、私にはピンと来ませんでした。「子供だまし」のような気がしてしまうのです。

もちろんこれによって意味のある経験をできる人もいることでしょうから、否定するつもりはありません。ただ私は「他にもっと良い方法があるんじゃないのかな」という思いを拭いきれないのです。

終活に関するイベントなどで、棺の中に入ってみる「入棺体験」というのがあります。あれの方が、受け手が何を感じるかについて自由度が高そうなので、心惹かれるものがあります。こういうものだという説明だけ聞くと何だかバカらしいようにも思えますが、実際に体験した人の話を聞くと厳粛な気持ちになり、忘れがたい経験となるようですよ。自分もいずれやってみたいと思っています。それこそ、「本番」で棺に入ることになる前に。

他にシミュレーション的なものとしては、自分の墓碑銘を考えるとか、死亡記事、あるいは葬式で友人などがどんなスピーチをするか考える、というのも良さそうです。自分が何を大切にしてきたか、深く省みるきっかけになるのではないでしょうか。

そしてもう一つ、人生の中で経験した「別れ」を振り返ってみる、というのもおすすめです。自分の死と、たとえ身近であっても他者の死とでは決定的に「向き」が違います。ただ結局は自分が死ぬ時には自分の意識はなくなるわけですから、生きている間に経験した人の死を通じてしか、死について考えることはできないのではないでしょうか。

葬式の場で、あるいは亡くなったあと、何を感じ、周囲の人と何を語り合ったのか。あるいは、亡くなるまでの過程でどんな時間を過ごしたのか。ある程度時間が経って振り返れば、思わぬ記憶が浮かび上がってきたり、あるいは「こうしておけば良かった」といった別の道が見えてくるかもしれません。

それらはきっと、次に来る別れ、そして自分自身が死にゆく場面においても、きっと支えになってくれるはずです。

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