大相撲ファンの民族差別は残念

投稿者: | 2017-03-28

大相撲春場所で横綱・稀勢の里が優勝したことが、大きな話題になっています。

ケガを押して出場し続けただけでも大したことなのに、本割・優勝決定戦で大関・照ノ富士を続けて破り、逆転で優勝したためです。「執念の勝利」などと大絶賛されていますね。

横綱の頑張りには素直に敬意を表したいと思いますが、土俵の周りにいる観客、さらにはテレビで大相撲を観ているファンたちの日本出身力士のひいきには、さすがについていけないものを感じてしまいます。稀勢の里への応援は、長年日本人横綱誕生を待ちわびてきた人たちからすると、ついに訪れた「夢の番付」がなせるものでしょう。ただそのことがモンゴル人など外国出身力士への敵愾心にまでつながるとなると、いただけません。

前日には照ノ富士が大関復帰を目指す琴奨菊に注文相撲で勝利し、激しいブーイングや罵声を浴びました。中には「モンゴルへ帰れ!」というものもあったようです。仮に同じ大関の豪栄道が同様のことをやったとして、照ノ富士ほど激しく非難されたでしょうか。私には、そう思えません。

外国出身の力士からすると、いくら土俵の上で力を発揮したとしても外国出身というだけで日本人とは露骨に応援度が違う。となるとやはり気持ちの面で白けるところがあるのではないでしょうか。

稀勢の里の横綱昇進で相撲が面白くなってきた、と感じている人は多いかもしれませんが、私から見ると先々日本人だけで細々とやっていくという衰退への道に通じているような気がしてなりません。少なくとも私は、この数場所で相撲観戦への興味が急速に失せました。立ち合い前の手拍子による応援も、本当に不快ですし。

以前は「大相撲は内なる国際化のモデルになるかもしれない」と思っていました。けれど今では、日本人の排外意識の強さを改めて思い知らされる例となるのかもしれないな、と思い始めています。

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