最近気になっていることがあるので書いておきます。
政策を論じる時に、何かをゼロにしたり100%にしたりしないと意味がないような言い方、考え方をする人が少なくないことに違和感を覚えるのです。たとえば、いわゆる「少子化対策」でも、人口が維持できてさらには増えていくレベルまで出生率を上げないと意味がない、という風な。あるいは財政においても、赤字をすっかり解消しなければ意味がない、という風な。
そんなのどうせ無理だから、対策を打っても仕方ない、という方向に持っていこうとしているのかもしれません。
けれど上の例で言えば出生率をいくらか改善させるだけでも、あるいはプライマリーバランスの赤字をいくらか縮小させるだけでも、取り組む価値があります。いろんな対策を組み合わせて試みる中で、メリットや効果が最も大きく、デメリットやコストが最も小さくて済む方法を模索していけば良いのではないでしょうか。
高すぎる目標、実現の覚束ない目標を立てるのは、何もやらないのと同じです。それどころか、実現可能なレベルの達成目標に近づくのを妨げるという点で、有害ですらあります。この辺のこと、個人や小さな組織・集団の目標に関しても言えるのではないですかね。