4月1日にEテレで放送された「こんなはずじゃなかった ~在宅医療 ベッドからの問いかけ~」が心に引っかかっています。
NHKドキュメンタリー – ETV特集「こんなはずじゃなかった 在宅医療 ベッドからの問いかけ」
録画して数日後から観はじめたのですが、途中で頭が混乱し、あるいは気分が悪くなって、まだ見終えることができていません。これまで3回に分けて50分ほど視聴したところです。
京都で在宅医療を推進してきた老医師が、いざ自分の死が近づいた時に懊悩している、というものです。番組中で登場する「今が天国かと思うとね、かえって地獄じゃないか」というセリフが耳を離れません。
多くの患者の死を目にしてきた医療者が、いざ自分のこととなるとうろたえたりする。これは珍しいケースではないのでしょう。番組が放送されるのを知った時、とっさに名著「死の瞬間」などを書いたキューブラー・ロスのことを思い出しました。彼女も余命宣告を受けた後ひどく取り乱していて、やはりそれがテレビカメラに捉えられていました。
番組に出てきた早川さんの場合、自分が一緒に仕事をしてきた医師や看護師が在宅医療のスタッフとなっています。それが居心地の悪さや惨めな気分につながっている面もあるように感じました。
そのことも含め、我々非医療者はこのドキュメンタリーから何を感じ、そして何を教訓として受け取ったら良いのか、よくわからないんですよね。救いがないというか、出口が見つからないというか。ドキュメンタリー番組としては、「多くの人を看取った医師が、今穏やかに自分の死を迎えようとしている。めでたし、めでたし」ではつまらないのかもしれません。ただ在宅医療の現場を知らない我ら一般人がこの番組を観ても迷いが深まるだけで、死がますます怖くなってしまう気がします。
私と同じようなことを感じた人は、他にもいたようです。
番組は残り10分ほどですが、もう観るのはやめにしようかと思っています。