私の両親はともに団塊の世代に当たります(父が1947年、母が1948年生まれ)。
一般に団塊ジュニアというのは1971年から1974年に生まれた世代を指します。その定義の上では1970年生まれの私自身は「団塊ジュニア」ではありませんが、世代としてはまぎれもなく団塊の子世代です。
団塊の世代がすべて後期高齢者になる年を基準に「2025年問題」ということが囁かれています。世代人口が圧倒的にこの世代が老人になることで、我が国の超高齢化に伴う問題が噴出するだろう、と言われているのです。
その意味で、ちょうど年齢的にも日本の真ん中当たりに位置し、そして団塊の世代を親に持つ我らには、日本の未来のために貢献する世代的な責務のようなものがあると考えます。もちろん我々の世代だけで完結するものではないので、次に続く世代を巻き込んでバトンをつないでいく、ということを含めてです。
まずは財政と社会保障制度を持続可能なものとしなければなりません。また、それより困難なのが、経済が高度成長し人口が増えていく社会を前提に作られた制度や慣行、さらには人の考え方まで、低成長で老いていく社会に即したものに変えていかねばならない、ということです。
人口が減るからといって、少子高齢化が止まらないからといって、日本の衰退が運命付けられているとは思いません。ただこの問題に正面から向き合い、然るべき手を次々と打っていかないと、日本はアジアの「過疎地」みたいな惨めな国になってしまうでしょう。その点で、まだまだ日本社会には危機感・切迫感が足りません。やみくもに危機感を煽っても多くの人はかえって目を背けるでしょう。ただ、現にある危機、目の前に迫っている危機についてはきちんと認識しなければなりませんね。
参考記事:縮む・老いる日本:人口減少社会をどう生きるか | nippon.com
Amazonの新書部門ではここのところ、河合雅司著「未来の年表 ~人口減少日本でこれから起きること~」がずっと1位を占めています。問題関心のある人は少なくないのだな、と勇気づけられるところではあります。私自身は、この本を読んで筆者の数々の提言に半分くらいしか賛同できなかったんですけど。