東アジアに恒久の平和を!

投稿者: | 2017-09-06

北朝鮮をめぐる国際情勢が緊迫し続けています。

「ひょっとすると、戦争になるかも」と怯えながら暮らしている人は少なくないのではないでしょうか。もちろん私も、その一人です。

ただこればかりは相手のあること。そしてその相手というのは独裁体制の三代目である金正恩です。彼のことを「狂気の独裁者」だとは思いません。彼には彼なりの計算や思惑があって、こうした挙に出ているのでしょう。ただ最終的に自国にも地域にも、そして自分自身にも悲惨な結果が起きかねないような危険な行動に出るという点では「恐怖の独裁者」だというのは間違いありません。

中国やロシアが加わらないために、アメリカを中心とした国際社会が一致結束するというのは難しいでしょう。ただ日本を含め西側社会はできるだけ意思統一してことに当たるのが望ましいと考えます。圧力、圧力と言いますが、意思がバラバラでは圧力も半減いや7割も8割も減衰するでしょうから。

人によっては、とにかく戦争をしないこと平和的解決が大前提で、そのためなら北朝鮮の言い分をできるだけ呑んでやってもいいではないか、ということを考えるかもしれません。ただそれは、金正恩という相手に対しては筋の悪い融和策に過ぎないと考えます。

東アジアでは20世紀に政治がらみ戦争がらみでおびただしい血が流れました。犠牲者はウン千万人の単位です(さすがに億には達しないと思いますが・・・)。今回「一人の犠牲者も出してはならない!」と動いたら、何年か先、より大きな犠牲を伴う紛争を迎えなければならないかもしれません。

平和的解決というのは今だけを見た視野の狭い尺度であってはならず、中長期的に見ていかに少ない人的犠牲で達成できるかを考えるべきです。併せて言うなら、北朝鮮の体制下では多くの人が人道上ひどい状態に置かれています。彼ら北朝鮮人民のことを閑却して「自分たちが安穏に暮らせれば、それで良い」というのはあまりに身勝手ではないでしょうか。

私は第二次大戦が終わって25年経ってから生まれました。生きているうちに「東アジアに恒久の平和が訪れた!」という喜びを味わいたいものです。

それは単に戦争がないというということにとどまらず、地域の全ての国が民主的な体制に移行し、紛争や利害対立について話し合い調整するシステムが確立されることまでを含みます。ヨーロッパ共同体に匹敵するような東アジア共同体のようなものは、この地域において必要とも可能だとも思いません。ただせめて、政治的な一体化が進み各国固有の軍隊を徐々に縮小していけるような、そんな流れが進んで行ってほしいものです。

そうした理想像をゴールとして見据えれば、今回の事態にどう対処するかを考える上での見方・考え方もかなり違ってくるのではないでしょうか。少なくとも私は「何が何でも戦争は避けろ」とは思いません。何しろ相手は、何人もの政権幹部をむごたらしく処刑し腹違いの兄に暗殺命令を下したあの金正恩ですよ。

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