人工知能開発の進み具合には目覚ましいものがあります。
何年か前までは遠い先の話、空想上の話だったようなことがどんどん「そのうち実現しそう・・・」という風になっていますからね。どんな業界に身を置いているにせよ、人工知能が働き方やビジネスのあり方にどんな激震をもたらすのか、思いをめぐらせておくべきでしょう。
生前準備に関してもそうです。
まずは意思決定の支援。終末期医療や遺言などに関して、的確な質問を投げかけ本人の納得行くような意思決定に導いてくれる。この辺は人工知能の得意なところですので、レベルの低い「専門家」はあっという間に用無しになるのではないでしょうか。
そしてカウンセリング的な部分。老いや病に寄り添い、本人のことを一番理解してくれるパートナーのような人工知能が出来上がるかもしれません。しまいには看取りにまで付き合ってくれて、死んだらしかるべき機関・企業に通知してくれるとか。
どこの業界でもそうでしょうが、人のほうは「人にしかできないこと」「人だからこそ価値があること」にシフトして行かざるをえないんだと思います。私としては、人々の生前準備に対するハードルが下がるのであれば、この業界で雇用が増えるとか減るというのはどうでも良い問題なんですけどね。
将来は、人工知能などのテクノロジーが人の命のあり方、死に対しても何らかの変化をもたらすかもしれません。
バーチャルな人格が永遠に生き続けるとか、体の「部品」を取っかえ引っかえすることで寿命が1000年超えちゃうとか。こうなると死生観そのものが激変しますので、生前準備の目的や内容も変わらざるを得ません。ひょっとすると、人が生前準備をする必要がほとんどなくなる、ということだって考えられます。
想像力をたくましくしつつ、どんどん加速する変化に振り回されないようにしたいものです。