長寿化する世の中では女性の活躍が目立ちそうだ、という気がますますするようになっています。
私の「フィールド」である生前準備の世界においても、その傾向は既に顕著です。
夫婦の場合ですと同年齢か夫が年上の場合が多いため、ほとんどの夫が「自分が妻より先に死ぬだろう」と漠然と考えているフシがあります。従って生前準備について自分のことという意識が起きにくいようです。また「嫁をもらった」という意識があるため、代々受け継がれた家族のやり方に対して矛盾や疑問を感じにくいのでしょう。
この辺、女性とはそもそも立場が全然違います。関心度・実施率ともに圧倒的に女性の方が上でしょうね、どの年代でも。
また専門家においても、女性の方が目に付きます。もともとこういうことに関心を持つのは女性の方が多い上、コミュニケーション能力や社会的能力などにおいて男性をはるかに凌駕するからです。
男性の私としては、まずはもっと多くの男性に生前準備への意識を持ってもらいたいと思います。そして仕事など人生を通じて培った知恵や技能をこの分野でも発揮してもらいたいものです。「男の生前準備」はきっと女性には出せないカラーや持ち味を発揮してくれるものと思いますから。
実は印象的な生前準備をして旅立っていった男性著名人は少なくありません。俳優の入川保則さんしかり、流通ジャーナリストの金子信雄さんしかり。先日「生前葬」を挙行した元コマツの安崎暁さんも、仮に亡くなっても長く我らの記憶に残ることでしょう。古くは本居宣長だって随分周到に準備して死にました。決して男に向かないというものではないはず。そう信じています。