格差の拡大が話題になると、すぐに「再分配をもっと強化せよ!」という意見が出ます。
けれどそれでは問題の解決にならないどころか、格差の固定化・永続化を招く可能性が高いです。仮に平均以上の所得・資産がある人に罰則と言ってもいいような税を課したら、経済の活力は大きく削がれるでしょうし国外への逃避を加速させかねません。その意味でも愚策と言っていいでしょう。
必要なのは、どの社会階層であっても学ぼう・働こう・事業を興そうなどと考えた時に社会的支援が受けられることのはずです。金銭面だけでなく、必要な情報が得られたり、心理的な意味での「応援」みたいなものも含め。
ネックがあるとしたら、社会階層の下の方にいる人ほど向上心を失いがち、ということです。そもそも当人にやる気がないのでは、いくら周囲が焚きつけてもモノになるはずがありませんからね。
私に良案があるわけではありません。
ただ糸口になりそうなのは、義務教育の時点で徳育に力を入れること、メンターやコーチみたいな人を誰でも安価に雇えるようなシステムを作ること、あたりでしょうか。後者のために税金から助成をするのであれば、単に生活費を恵んであげるよりもずっと「活きたカネ」になる確率が高いと思うのですが、どうでしょうか。