法律番組(というより、島田紳助の独演番組)「行列のできる法律相談所」に「当時はひとり息子だったけど…遺言トラブル!」というトラブルが登場したそうです。私は観ていませんが。
番組サイト:「当時はひとり息子だったけど…遺言トラブル!」
現在35歳の長男が生まれた時に父親が書いた遺言。しかしその後2人の男の子が生まれ、父親亡き後、3人兄弟が相続人となっている、というものです。
35年も前に書いた遺言、しかもその後2人も子供ができたのに書き直していない。せっかくの遺言がかえってトラブルの種をまいてしまっている例です。まあ現実にはこんなケースは起こり得ないでしょうが。
この番組は、遺言があるために起こるトラブルを持ち出してきます。バックナンバーを観ていたら、「ムチャクチャな内容…こんな遺言書は無視できる?」 なんてのも。2000万円の遺産をすべて自分の葬式代に使えと遺言した例です。
世間では遺言がないばかりに起こるトラブルの方が多いはずなのに、あえて遺言がトラブルの元になるケースばかりを取り上げる。番組として構成する上では仕方のないことなのかもしれませんが、遺言を推進する者としては気分が悪いです。
さて上記「当時はひとり息子だったけど」の件。法的に言えば、遺言は有効、下の2人の子供は遺留分を請求できるにとどまる、ということになろうかと思います。ただそれでは誰が考えてもおかしいので、兄弟3人で遺産分割協議をするべきだと思います。その際、長男が半分で残り2人は4分の1ずつというのが、手の打ち所じゃないでしょうか。
ともあれ、こんなことにならないためにも、遺言はこまめに見直し、書き直しましょう。