社会保障と財政、そして経済成長

投稿者: | 2018-06-01

財政に対する先行き不安が、日本経済の足かせとなっています。

「年金が大幅にカットされるのではないか」「将来激しいインフレに見舞われるのではないか」という心配がある中では、少しでも生活を切り詰めて貯蓄を殖やしておこうと考える人が大勢を占めるのは不思議ではありません(インフレへの対策として現金を預貯金という形で保有しておくのは、必ずしも合理的とは言えませんが)。

その意味で、社会保障や財政の持続可能性を高める政策は、めぐりめぐって消費喚起、つまり経済活性化に資すると言えるでしょう。逆に目先の景気浮揚だけを考えた景気対策みたいなのはかえって将来不安をかき立てるだけで、経済の好循環みたいなのにはつながらないように思えます。

黒田総裁のもとで日銀が続けている異次元の金融緩和も、やはり好循環を生み出すには至っていないのではないでしょうか。そして長引くにつれ、金融機関へのダメージや金融市場のひずみなどマイナスの部分が目立ってきています。将来振り返ると、それ以外にもデメリットが多く見つかるのではないでしょうか。おおっざぱに言えば、社会の資源配分を歪めている、と。不動産などでバブルのようなものが生じているのは間違いないと思います。

では、社会保障や財政について何をどうすれば良いでしょうか。基本は、公的負担を極小化して「民でできることは民で」「支払い能力のある人には極力自己負担で」という方向性でしょう。

その際、高齢化に伴い活性化するであろうビジネスを後押しする、という視点も大切です。その分野からの法人税収・所得税収が多ければ多いほど、消費税の上げ幅を抑える余地が出てくるからです。財政の再建とか健全化というとどうしても切り詰めるイメージ、後ろ向きなイメージがありますが、そうした「攻め」の姿勢も忘れずにいたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください