「人生100年」という呪い

この数年で「人生100年時代」という言葉がすっかり定着しました。

リンダ・グラットン著「LIFE SHIFT―100年時代の人生戦略」の邦訳が2016年10月に出て以降でしょうから、まだせいぜい2年ほどです。

10代とか20代前半くらいまでの若い世代にとっては「人生100年」はあり得べき未来でしょう。それだけ長生きする可能性がある、ということを念頭に置いてキャリアの設計や資産形成などをするべきです。

けれど既に50歳以上の人たちにとっては、さすがにそこまでの長生きは稀なる事態です。長生きリスクに怯えるよりも、残りの人生をどのように有効活用するのか、考え、行動することの方がよほど建設的ではないでしょうか。

長生きリスクといった時、多くの人が関心を持つのはお金と健康のことでしょう。これらについて「人生100年時代」などと言って不安を煽るっていると、必要以上に倹約に走り、また健康を気にするあまりいろんなことを我慢したりするようになる気がします。そうして我が国の人口の大きなボリュームを占める中高年が、守りの姿勢で毎日を暮らすようになると、経済面でも社会面でもますます活力が失われていくような気がしてなりません。

メディアなどで「人生100年時代」という言葉を使う人たちには、悪気などないことと思います。けれど実態に即さない強烈な言葉がかえって日本の未来を暗くするかもしれない、ということは意識していただきたいものです。

その意味で最近私には「人生100年時代」という言葉が呪いのように聞こえてきています。もちろん自分自身も、100歳まで生きたいか、と問われれば現時点ではノーですねぇ。ただ今48歳ですので、人生が100年続くならまだ「折り返し地点」の手前にいることになりますから。

(寿命についての補足)

多くの人が参照する平均寿命というのは、あくまで0歳児の平均余命です。それなりの人生を生きてきた人なら、その年齢からの平均余命は平均寿命で見るよりも長いです。このことはもっと知られるべきでしょうね。

たとえば2017年の簡易生命表によると、70歳男性の平均余命は15.73年、70歳女性の平均余命は20.03年です。女性に関しては、もはや「人生90年」が実現しているのは間違いありません(平均寿命は87.26歳です)。男性の場合は、「人生85年」といったところでしょうか。

平成29年簡易生命表の概況|厚生労働省

あと寿命中位数というのもあります。平たく言うと、半数の人が生きられると期待される年齢で、平均寿命といったときに我らがイメージするモノはむしろこちらに近い気がします。この種の統計に関心のある人にしか知られていないでしょうが、こちらも参照しておくのをおすすめします。直近2017年の数字は、男性が84.08年、女性が90.03年です。ここでも女性の「人生90年」は既に現実ですね。

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