社会主義が還ってくる?

投稿者: | 2019-02-26

アメリカの民主党が社会主義的な路線にシフトしていることが話題になっています。富裕層への徴税を強化して再分配を行うだとか、医療保険など社会保障への国の関与をもっと強めるだとか。若い人たちは社会主義に対して負のイメージや忌避感がないようなので、党勢を拡大するための方向性としては悪くないのかもしれません。

微妙に「社会主義」に傾きゆくアメリカの葛藤 | アメリカ | 東洋経済オンライン

ただ多少福祉や分配を重視するくらいならともかく、アメリカを北欧みたいな高負担高福祉の国に改造できるのか、また改造できたとしてそれがうまく機能するのか。甚だ疑問です。

翻って日本はどうでしょうか。若い人に社会主義への抵抗感がない・薄いというのはアメリカと共通しそうです。ただ日本は既に十分社会主義的で、統制を緩め自由を拡大することの方が課題だと思っています。現状よりもさらに経済的・社会的統制を強めると、ますます社会から活力が失われ、窒息するような感じにならないでしょうか。

今のところ日本で米国民主党のようなムーブメントが起こる気配はありません。日本で中心になるとしたら、日本共産党や立憲民主党、社会民主党あたりになるんでしょうけど、そうした政党の政策、ビジョンに注目が集まっている、なんてことは全くありませんからね。ただアメリカでの流行が日本に輸入される、ということは十分に起こりえることなので、警戒しておくに越したことはありません。

もとより私は、全力で抵抗する側に回ります。命を懸けて、と言ってもいいくらいです。なぜなら、自由な社会では社会主義だろうが何だろうが論じるのは自由ですが、社会主義が行き渡った社会では自由主義など「敵」とされる思想は確実に弾圧されるからです。

社会主義というのは20世紀に一度大失敗した「実験」です。当時と比べれば社会は多様化し、また変化のスピードも格段に上がっている。画一的な計画や官僚などが頭で考えた統制が、うまく機能するはずがないのです。むしろ社会を沈滞させ、分配するはずの「パイ」を小さく、そしてまずくしてしまうのではないでしょうか。

やる前から失敗することがわかっている再実験に応じるわけには参りません。

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