永田町では「消費増税はまた延期されるのではないか」という憶測が飛び交っているそうです。
安倍首相、ついに“消費増税凍結+衆参W選”決断か!? 4月に訪米する『隠された理由』とは… – zakzak
増税にからむ諸施策を盛り込んだ本年度予算が成立し、また社会の各所も既に増税を前提として動き始めていますので、普通に考えれば「それはないだろう」と言いたいところです。
ただ、二度ある事は三度ある、と申します。安倍晋三首相が三度延期の決断を下す可能性はゼロではない、どころか大いにあるとにらんでいます。また「国民の信を問う」とか何とか言って、衆参ダブル選挙にしてしまう、と。
私自身は消費税率について、10%に増税したって全然足りないという認識です。景気が良かったら増税するというのではいつまで経っても増税できませんので、世界的大不況でもない限り、粛々と10%へ、そしてその次の13%あるいは15%くらいまで上げていくべきだと考えます。
今回の増税については、軽減税率の導入を始め、キャッシュレス決済へのポイント還元やプレミアム商品券など、ショックを緩和する施策が数多く設けられることになっています。増収効果が大きく削がれる一方、景気への悪影響もそれほど大きくはないのではないでしょうか。良くも悪くも、増税の意味が失われつつある、と言わざるを得ません。
いまだに「消費税を2%上げたら日本経済は奈落の底に落ちる」みたいな認識の人が少なくないようです。けれどそういう意見は上記「緩和策」への認識が十分とは言えません。またそういう人たちは、社会保険料の上昇や食料品などの値上がり(ないし値段は変わらなくても容量が減るシュリンクフレーション)については鈍感なように見えます。自分の家計をきちんと見ていないんじゃないの?と言いたくもなります。
「何のための増税か」という意味が失われつつあった今回の増税、また先送りすることにあえて反対はしません。けれど将来へのツケ回し、問題先送りがまた繰り返されようとしていることはしっかり意識せねばなりません。私自身を含め現代の日本に生きる世代は、将来の世代から「問題から逃げ続けた大馬鹿者」というそしりを免れることはできないだろう、と強く思います。