樹木希林という「教祖」

去年9月に樹木希林さんが亡くなって、8ヶ月ほど経ちました。

死後も彼女の言葉を集めた書籍が何冊も出ており、中にはベストセラーになったものも。彼女の生き様、そして考え方が多くの人の共感を集めている、ということなのでしょう。

「理想の最期」を体現した樹木希林さん 30代で語った死生観とは : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

ただ私自身は、彼女をまるで「教祖」であるかのようにあがめるのはどうかと思っています。違和感を覚えているんです。

女優という特殊な仕事を続けていて、しかも夫はミュージシャンでその結婚のありようも独特。また、女性ですし私からすると母親より昔の人で世代も違います。あとがんになった経験もありません。これだけ相違点が多いと、単に言葉として感銘することがあったとしても、自分の人生を生きていく上で支えとなるとかどうかは全然別問題だと思ってしまうのです。彼女の真似なんてできっこないし、真似しようとも思うべきではないでしょう。

樹木希林さんの言葉が薄っぺらだとは思いません。ただそれが気軽にもてはやされてしまう今の日本に軽薄さを感じてしまいます。それこそ日本人の死生観が「危機」的状況にあることの表れ、と言えないでしょうか。

下記の記事は、私の問題意識に近いところで書かれていて、なお深い考察がされています。

樹木希林さんは死後、なぜ「相田みつを」化してしまったのか? (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

亡くなる前年には「老い」や「死」についての取材が殺到していることに疑問を呈し、こんな発言も。

「えっ、私の話で救われる人がいるって? それは依存症というものよ、あなた。自分で考えてよ」

そこで、彼女の代わりにこんな提案をしてみたい。それこそ依存症みたいに、救いを求めている人は、神格化するのをやめてみてはどうだろう。そのほうがむしろ、人間らしく生き抜いた樹木希林さんがより身近に感じられる。その言葉も、いっそう心に響くはずである。

確かに、そうかもしれません。

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