先週まで、日経新聞の夕刊で「聞き書きの力」という記事が連載されていました。
自分史とはまた違った、聞き書きの持つ魅力や効用について、教わるところの多い記事でした。
私の推進する遺言は、基本的に自分で考え、自分で書くものです。私自身、文章を書くことをあまり苦にしないものですから、やや「自分で」ということにとらわれすぎている面はあるかもしれません。聞き書きの持つ力は、遺言コンサルタントとしての役割にも示唆を与えてくれるように思います。
具体的には、的確な問いを投げかけること。当を得た相づちなどで言いたい・書きたいという気持ちを高めてもらうこと、そして、表現することで満足感を得てもらうことなど。
記事中では、いきいきと話すお年寄りのありさまが、何度も描写されていました。また、聴く方も聞き書きを通じて啓発されることが多いようです。違った人生、違った世代の者同士が、聞き書きを通じて心を通わす。こうしたコミュニケーションはとても素敵だし、大事だと思ったことでした。
本当は、家族内や仕事の先輩・後輩間で、そうした会話が自然となされるのが、理想なんですけどね。日本には、この種の会話があまりに足りないのではないでしょうか。