生前準備するに当たって、配偶者や子などの家族がいるのか、いないのかではその性質が全く異なってきます。
いる人にとっては、必要なことを家族に託し、またその負担を軽減させるための引継書のようなものとなることでしょう。一方いない人にとっては、後事を誰に託すのかからして大問題です。また託すことについても、家族に託す以上に詳細に取り決め、伝えておかねばなりません。一言で言って、厄介なのです。
家族がいる人であれば、生前準備は「やっておいた方が良い」くらいのものですが、おひとりさまであれば「やっておかねばダメ」という感じですかね。
さてでは誰に託せば良いのか。
まずはきょうだいや友人に託せるのであれば、それに越したことはありません。配偶者や子ども並みとは行かないでしょうが、それに近い形でお願いできることでしょう。
あとは、専門家やその種の団体にお金を払って依頼する。これが今後は主流になるかもしれません。
そしてもう一つ、おひとりさま相互で助け合う自助会・互助会のようなものが今後は増えてくるかもしれません。
最後に。これは奇策かもしれませんが、死後のことを見据えて異性・同性の相手とパートナーシップを結ぶ、というのもありかもしれません。
いずれにしろ、生涯独身で人生を終える人ばかりでなく、子がないまま離婚したり配偶者に先立たれた人など、おひとりさまとして高齢期を迎える人が大幅に増えるのは確実です。社会問題になる、と言ってもいいかもしれません。
ただ逆にその分、社会的に多くの「答え」が用意されるようになる可能性もあります。いずれにしろ、今後この点についてはますます社会的な関心が高まり、議論も活発に展開されるようになる、と確信しています。