在宅看取りと日本人の死生観

投稿者: | 2020-01-08

「自宅で最期を迎えたい」と望んでいる人は多いのに、必ずしもそれが叶っていない。日本の課題の一つです。

端から諦めてしまっている人もいるでしょうから、実際には「(可能なら)できるだけ家で療養したい」という人はかなりの割合に上るはずです。

他方で、厚生労働省は住み慣れた地域でできるだけ医療や介護にアクセスできるようにする地域包括ケアシステムの構築を政策的に誘導しています。仮に「ハコモノ」をつくっても将来的な人口減少により無駄な投資となるのは明らかですので、これは当然の方向でしょう。

在宅での看取りがすべてバラ色というわけではないでしょう。けれど全体的な傾向として病院での死とはかなり様相の違ったものであるのは確かなようです。「お迎え」が起こるのも在宅の場合のほうが目立って多い、なんて調査もありました。

家族や医療者・介護者が在宅での死を目にして、「こんな風に死ねるなら、自分もそうありたい」と感じることは少なくないようです。そういう目撃者の割合が日本全体の中で増えていくと、日本人の死生観にも大きな変化をもたらすのでは、と見ています。それも、好ましい変化を。

いろんな障害はありましょう。とはいえ、もし望むなら最期まで住み慣れた自宅あるいは施設で人生をまっとうできる、というのは日本社会挙げて追求するに値する目標だと思いますが、どうでしょう?

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