35歳の生き方

投稿者: | 2009-05-07

昨日のNHKスペシャル「“35歳”を救え あすの日本 未来からの提言」は、いろんなことを教えてくれ、考えさせてくれる番組でした。

番組(ひいてはNHK)の提言にすべて賛成というわけではありませんが、いい番組だったと思います。島津有理子アナが35歳だと知ったのも、収穫でした。

番組では、積極的雇用政策や生活支援といった括りで、この世代に思い切って政府予算を振り向けることが提案されていました。「モノではなく人への投資」という言葉が、キーワードでしたね。政府予算が高齢者の社会保障に偏重している、というのはよく指摘されることです。その意味では、ハコモノから人へ、あるいは高齢者から若い世代へ、という形で財政配分の組み替えを行うことは必要でしょう。

でも、お金をバラ撒けばいい、というのではあまりに知恵がなさすぎます。

真面目に働いていれば安定した雇用に就けて、給料も右肩上がりで上がった時代は、もう還ってきません。その現実を踏まえた上で、社会の仕組みをどう再構築していくか、あるいは若い世代を支える活動を社会の中にどう育てていくかが、問われているんだと思います。

番組では消費税のことが少し触れられた程度でしたが、これからの日本は若者など現役世代が重税感・痛税感をますます感じる国となります。そんな中で「政府支出を増やせ」というのは、ますます日本を暗い国にする気がします。イギリスの例で強調されていたように、費用対効果を厳しく追求して欲しいものです。

個人的には、ベーシック・キャピタルや児童手当のような形でシンプルにお金を支給する制度を設けつつ、あとはNPOやソーシャル・ビジネスの活動に公的助成を与える、というのがいいと思います。先進的な自治体にインセンティブを与える、というのもいいかもしれませんね。

ともあれ、政府にできること、すべきことは、お金を与えることと、シンクタンクやデータバンクとして機能することくらいだと思います。具体的な問題解決は、国民の暮らしの中から、国民の手によって生み出されるでしょうから。そう見る点が、社会主義を志向しているらしいNHKとは相容れないところなんです。

ところで本日は引き続き「独身者急増!“未婚社会”」という特集が組まれています。こちらも、見逃せませんね。

35歳の生き方」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 志の輪、広げよう。 » 問題は、「住まい」だ!

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