医療や介護にかかる費用は、これからますます国の財政そして個人の家計を圧迫することになります。
これらをどう節約するか、というのはこれからの日本にとって最大の問題になるのではないでしょうか。順調な経済成長が実現できれば「痛み」は相対的に弱くなるわけですが、それはどうも望み薄ですし。
まず、国民の健康についてのリテラシーを高め、予防やライフスタイル変革を促すべきでしょう。また医療や介護を利用する際にも、賢く効率的に利用できるようにすることも肝要です。この辺は、ぜひ現場の医療者・介護者にもアイデアを出していただきたいところです。
次に、高齢者の就労率を可能な限り上げる。仕事を継続して心身ともにハリのあるしていれば、病気になるリスクを一定程度抑えられることでしょう。
そしてもう一つ、これはあまり言われないことですが保険システム内の医療や介護は抑制しつつ、その周辺のヘルスケア産業とでもいったものを育成する、というのも大きな活路となるはずです。
ヘルスケア産業が栄えることで、結果的に高齢化が進行する中でも医療費・介護費の伸びが抑制される。一方、ある程度経済的にゆとりのある人はそうした産業に対してお金をつぎ込み、それにより雇用も税収も増える、という好循環です。
医療費の負担が重すぎて心を病む人が増えたり経済的に破綻する人が増える、なんてシナリオは何としても回避したいものです。このテーマ、それこそ一生考え続けることになるのだろうな、と思っております。