農業や漁業では、先々のことを考えて土地や漁場から収奪しすぎないのが、昔からの知恵です。
どの業界においても、この知恵は見習うべきではないでしょうか。今あざといことをやって将来業界が縮むようなことをするのではなく、逆に目先の儲けはいくらか減るかもしれないけれど、長い目で見たら業界の発展・繁栄につながる。そうした道を選ぶのが、賢き業界人と言えましょう。
ついでに言えば、どんな仕事でも人材が命ですから、後継者となる人材の選抜や育成に本気で取り組んでいない業界は、やはり衰退を免れないでしょう。
私利より組織の利益、組織より業界の利益、業界より地域の利益、地域より国の利益、国より世界の利益。後のものを考える人ほど、人間のスケールが大きい、と言えましょう。さすがに、世界の利益なんてところまで行くと、上滑りする可能性が大ですが。