日本はダメな国?

投稿者: | 2009-06-05

梅田望夫氏がまた「炎上」しています。

著書「ウェブ進化論」などによってインターネットの将来性を高らかにうたいあげた同氏ですが、それだけに日本のウェブの「貧しさ」に対するガッカリ感が強いのでしょう。一方、日本のネット住人からすれば、味方だと思っていた人間から批判されて裏切られた感がある。ややこしい構図ではあります。

さて最近、英語を通じて世界中(といっても、大半は英米でしょうが)の情報に接触している人が「テレビはほとんど観ない」「日本の新聞や雑誌はほとんど読まない」と自慢げに語っているのをよく目にします。英文情報に日常的に接していると、日本のマスメディアやネット空間の「空気」を、井の中の蛙と感じてしまうのは確かなようです。

確かに日本のマスメディアは玉石混淆、しかも石の比率が高いかもしれません。けれど、厳選して接触すれば玉もあります。「全部がダメ」式の言い方は知的に浅薄すぎるのではないでしょうか。

また、そういう人が日本人に向かって日本語でいわば説教しているのも、滑稽ではあります。手前は英語で発信し、英語の言説空間で存在感を発揮しているのかよ、と。目くそ鼻くそという感がぬぐえないんですね。

さて、そんな風に反発を覚えてしまう私ですが、日本人全体が知的に衰弱しているのかも、という気はします。本を読まない、読むにしても軽い本ばかり、そして自分の頭で深く考えない。考えないから、条件反射のような思考しかできない。こんなからくりなのではないかと思います。

高度な知性を持った人間は日本を飛び出し、日本語を捨てる。しかし、そうした人間の「発生率」はどんどん低下。挙げ句、日本(および日本語の言説空間)は愚者の楽園とでも言うべき列島となる。そんな事態が、実は間近に迫っているのかもしれません。おのれに対する建設的な批判をも受け付けないのは、成長しない者の特徴でもありますし。

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