鵜尾雅隆著「ファンドレイジングが社会を変える」を読みました。
著者の長年の思索と実践の成果が詰まった本だな、という印象を受けました。ここにも、「志」を持って生きている人がいる、とも。
さて、著者の持論というか夢の一つが、「2020年に寄付10兆円市場を実現する」ということです。その成否はさておき、意欲的な目標だと思います。もちろん、氏も言うように、その際には遺言による寄付も、大きな比重を占めることとなるでしょう。
さて現在私は、寄付について次のようになるといいな、と考えています。
- 消費を通じての寄付や、投資的な寄付がもっと増える
- 人々が普段からNPOやソーシャルビジネスに関わる
- 最後に、社会へのメッセージとして遺産の一割を寄付
遺言の中には、家族など身近な人への私的なメッセージも含まれます。それとは別に、自分はどんな社会を望むのか、何を大切と考えるかを、寄付を通じて表す、というわけです。
しかもそれは、死に際しての一過性のものではなく、一生を通じて支援してきたもの、携わってきたものと、密接に関わっていなければ・・・。
こうしたことが当たり前になったとき、寄付文化が根付いた、と言えるのでしょう。