クラウドソーシング時代の企業

投稿者: | 2009-06-19

クラウドソーシング・ネタの第二弾です。

クラウドソーシングが一般化した社会では、企業のありようも当然今とは違ったものになるはずです。大胆なことを言えば、企業は事業を営む主体としてはワン・ノブ・ゼムになるかもしれません。それも、やや時代遅れのものとして。

まず最初の段階では、企業が自社事業の充実や高度化のため、クラウドソーシングを活用するようになります。従業員など利害関係者からの提案を受け付ける、顧客の声をサービス改善に活かす、研究開発にクラウドの知を利用する、などなど。

そして次の段階では、企業の境界があいまいになり、流動化するでしょう。顧客や他の提携企業なども、重要な参加者となるからです。今の企業は物理的な存在としての意味合いが強いですが、将来の企業はバーチャルな場としての側面、コミュニケーションに結節点としての側面を強めていくでしょう。企業がなくなるかどうかはわかりませんが、仮に同じ名で呼んだとしても、将来の企業は今のそれとは似ても似つかないものになると予想されます。

こうした時代においては、魅力ある企業とそうでない企業では、「できること」に関して無限大と言ってもいい格差が生じます。魅力のない企業は、顧客はもとより、従業員等の真剣な貢献を得ることもできないからです。企業の優勝劣敗は、今以上に過酷なものとなること、確実です。

法律や税制など、社会の変化に制度はなかなか追いつけないでしょう。ですがそれも、いわゆるデジタルネイティブが世の多数派となるにつれて、着実に塗り替わっていくことでしょう。企業が変われば、人々の働き方、そして勤労観が変わります。もしかすると我々は、数百年単位の広がりを持った大きな変革を経験しようとしているのかもしれません。いわば「会社の終わり」です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください