死ぬときに後悔すること25

投稿者: | 2009-06-25

緩和ケアを専門とする大津秀一医師の近著「死ぬときに後悔すること25」を読みました。

感動して泣く、というようなたぐいの本ではありませんが、心にしみいるいい本でした。私の持論とも共通する部分が多く、同志を見た思いがします。この本の記述も、我が「遺言情報局」の充実に活用させていただきたいと思います。

この本については、これから何度かこのブログでも掘り下げて行くつもりです。まずは、読んでみて印象に残った点や、思ったことなど。

意識の低下
本書の中で何度も強調されていることですが、死が近づくと意識が低下して、まともに会話できないのが普通。映画やドラマでよくあるように、いまわの際に重要な一言を遺して事切れる、なんてのは、現実にはほとんどないんですね。生きているうちにしたいことは、できるだけ早くからやっておけ。これは、何回強調しても強調し足りない教えですね。

25個は多い?
本書では多くの人が後悔することが25個挙げられています。もちろんこの全部を達成しないといけないわけではなく、満足感を決定的に左右する少数の重要な項目、というのが誰しもあるんだと思います。本書は大津医師なりのまとめですが、他の医師、さらには宗教家やカウンセラーなど、多くの専門家の知を結集して、クラウドソーシング版「死ぬときに後悔すること」リストを作ると、おもしろいかもしれません。

後悔を告げる
私の提唱する自由遺言には、「遺訓」という項目があります。自分の人生における後悔について率直に語るのも、格好の教訓となるのではないでしょうか。それも、したことについて「ああすれば良かった」というのではなく、すれば良いとわかっていたのに、やらなかったこと。前者は状況との関わりもあり必ずしも普遍性を持ち得ませんが、後者は、きっと子孫の胸にも響くだろうからです。

自由遺言と「生きているうちにしたいこと」リストは、セットで
一年に一度は自由遺言の見直しを、と提唱していますが、「生きているうちにしたいこと」リストも同時に見直した方がいい気がします。というか、大部分の人はそんなリスト持っていないでしょうから、まずは作るのが先決ですが。

ある人が、「死ぬ時にもっと仕事に時間を割けば良かったと後悔する人はほとんどいないが、もっと家族と時間を過ごせば良かったと後悔する人は多い」と書いていました。結局、家族など身近な人と充実した関わりを持てたかどうかが、後悔か満足かを大きく決定づける気がします。

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