去年の10月に「観たい映画」として挙げていたのですが、ようやく観ました。
全体的な評価としては、星4つ。傑作と賛美するほどではありませんが、まあ愉しめる映画でしょう。
映画は、脳腫瘍で若くして亡くなった夫が遺したメッセージを軸に展開されます。そのメッセージを通じて、妻は二人の過去を振り返ります。その過程を通じて、彼女は死の悲しみを乗りこえていく、というわけ。
主人公(ないしその家族・恋人)が亡くなるまでをメインに描く映画が多い中、開始数分で片方の主人公が亡くなるこの映画。異色と言っていいかもしれません。グリーフワークもの、とでも言うんでしょうか。亡くなった夫が現れるところなどは、「ゴースト ~ニューヨークの幻~」を思い出してしまいましたよ。
映画では、メッセージが複数あってそれが順を追って届けられたこと、妻が読む状況などがちゃんと計算されていたこと、そしてメッセージの届け人に意外な人物が選ばれていたことなどが、物語のカギとして、美しく描かれていました。ただこれをリアルにやると、いろんなところでボロが出て、かえって白けることになるので、おすすめはできません。素直な気持ちを、シンプルな言葉で伝えるのが、結局ベストなんじゃないでしょうか。やるとしても、せいぜい死の直後、1年後、3年後に分けたメッセージを準備するとか。
そしてもう一つ。「愛してる」にしろ「ありがとう」にしろ、生前からちゃんと口に出して伝えておくことが、何よりです。