最低賃金を時給1,000円にしようと唱える向きがあるそうです。
世の中には時給1,000円未満の賃労働は存在してはならぬ、と言っているわけで、こんなのは論外の提案です。もっと言えば、最低賃金はいくらが妥当かなんてのは考えても仕方がないことであって、最低賃金なる規定は廃止するのが正しいです。
世の中には無償ボランティアというのがあるわけですが、時給200円とか300円の賃労働があってもいいと思います。自尊心が満たされるとか、純粋に楽しいとか、何かを学べるとか、人脈ができるとか、人がこんな低賃金労働に甘んじることのできる理由はいくらでもあります。問うべきは、社会に十分多様で豊富な雇用があるかどうか。最低賃金の引き上げは、誰がどう考えても雇用を減らします。いわば、逆噴射なんですね。
私などはむしろ、同一の職務なら給与が年々切り下がっていく「逆年功賃金」を導入するべきだと思います。仕事において進歩がなければ、支払われる報酬は減らされるということです。消費者として価格にシビアなんですから、働く側としてはそれを受け入れざるをえないんじゃないでしょうか。
さて、賃金がらみでは最近「給付付き所得控除」(またの名を「負の所得税」と言います)が、にわかに注目されてきました。ベーシック・インカムは問題多すぎと考える私ですが、負の所得税は真剣に検討してみてもいいかな、と思うようになりました。
ともあれ、ある程度見識のある人なら絶対に賛成しないようなお馬鹿な政策を次々出してくるような政党が、これから政権を担おうとしているわけです。日本の政策論議のレベルの低さは、もう絶望的というしかありませんね。