「縮む国内市場」というイメージ

投稿者: | 2009-07-17

ここ最近、「少子化で国内市場は先細り」という記述を、新聞記事やブログ記事などでよく見かけます。

無論間違ってはいないのですが、どうやらこれから、このイメージが実態以上に浸透しそうな悪い予感がします。それが結果的に、人口減少以上に国内経済の縮小に拍車を掛けるのではないか、と。

確かに若者や子供向けのビジネスでは、少子化の影響は大きく、国内市場の急速な縮小は不可避です。ただ、それ以外の大人向けビジネスや、企業向けビジネスにおいては、あまり騒ぐほど国内市場が急速に縮小するとは限りません。「これから伸びるのは、高齢者向けのビジネスだけ」などというのは、暴論のたぐいでしょう。

それに、上では「不可避」と書きましたが、若者や子供向けのビジネスにしたって、全体としては消費額が縮小する可能性は高いですが、個々の商品やサービスが伸びる余地がないわけではありません。いや、いわゆる6ポケットのパワーで、子供の減少ほど消費額が減らない可能性だってあります。

「もう国内市場では成長は見込めない」なんていうのは、随分軽薄な決めつけであることは明らかです。ただ恐ろしいのは、日本人の多くがそう考えるようになると、結果としてそれが現実化してしまうこと。

よく言うことですが、日本人が将来を悲観し、それがさらなる少子化につながるという悪循環が回り始めると、本当の意味で「日本オワタ」になるでしょうね。

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