先日読了した「どう生き どう死ぬか―現場から考える死生学」で、デイグニティ・セラピーのことを知りました。
私が考えていること、これから行おうとしていることに、とても近いものです。知って猛烈に好奇心をかきたてられたと同時に、今までこれを知らなかったということに、忸怩たる思いも持ちました。
情報収集のあり方に問題があったと言わざるを得ません。新しい情報を含んでいそうな本を積極的に探すこと。Webにおいても、自分から検索エンジンを駆使して能動的に新情報を発掘すること。類似の関心を持つ人と知のコミュニティを形成すること。英文の情報にも目配りすること。こういったことが、今後の課題と言えそうです。
さて、デイグニティ・セラピーについては、下記のページに詳しいです。
「ディグニティ」とは、尊厳という意味です。つまり、本療法は、終末期の患者さんの尊厳を維持することを目的とする精神療法的アプローチのひとつということになります。
ディグニティ・セラピーは、カナダのウィニペグ市にあるマニトバ大学精神科教授チョチノフ博士によって考案されました。がんの末期にある患者さんたちに、これまでの人生を振り返り、自分にとって最も大切になったことをあきらかにしたり、周りの人々に一番憶えておいてほしいものについて話す機会を提供するものです。
実際には、患者さんは8つの質問(#0、資料1)を手渡され、2、3日かけて答えをイメージアップします。そして、質問紙に沿って、面接者を相手に、愛する家族や友人に言い残しておきたいことを語ります。それはオーディオ録音され、その逐語録を基に、面接者が文書を作成します。それは後日、ご本人の前で読み上げられ、内容確認して頂いた上、郵送ないし直接に手渡しされることになっています。1週間ほどで完成します。
で、その質問(9つあります)が下記。
- あなたの人生において、特に、あなたが一番憶えていること、最も大切だと考えていることは、どんなことでしょう?
あなたが一番生き生きしていたと思うのは、いつ頃ですか?- あなた自身について家族に知っておいてほしいこととか、家族に憶えておいてほしいことが、何か特別にありますか?
- (家族としての役割、職業上の役割、そして地域での役割などで)あなたが人生において果たした役割のうち最も大切なものは、何でしょう? なぜそれはあなたにとって重要なのでしょう、そして、その役割において、あなたは何を成し遂げたのだと思いますか?
- あなたにとって最も重要な達成は、何でしょう? 何に一番誇りを感じていますか?
- あなたが愛する人たちに言っておかなければならないと未だに感じていることとか、もう一度言っておきたいことが、ありますか?
- 愛する人たちに対するあなたの希望や夢は、どんなことでしょう?
- あなたが人生から学んだことで、他の人たちに伝えておきたいことは、どんなことですか?
(息子、娘、夫/妻、両親などに)残しておきたいアドバイスないし導きの言葉は、どんなものでしょう?- 将来、家族の役に立つように、残しておきたい言葉ないし指示などはありますか?
- この永久記録を作るにあたって、含めておきたいものが他にありますか?
内容については、別途詳しく見ていきます。今日は、とりあえず紹介のみにて。