怒る弁護士会

投稿者: | 2009-07-30

大阪弁護士会がNHKに抗議したとか。

NHKの「コンカツ・リカツ」に抗議…大阪弁護士会 : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

同弁護士会が問題にしたのは、離婚の相談場面。「離婚カリスマカウンセラー」の行政書士役が、夫から受け取る生活費についてアドバイスしたり、慰謝料の額に言及したりしていた。

抗議書では、行政書士について「職務権限は官公署に提出する書類などの作成業務で、その範囲で依頼人の相談に応じることができる」とし、「弁護士に認められた法律相談とは異なる」と指摘。ドラマの行政書士役については「法的手段や法律解釈に踏み込んだ見解を示し、行政書士の職務権限を逸脱している」と主張している。

このドラマ自体を観ていませんので、弁護士会の主張の当否について語る十分な資格はありません。以下は、一般論です。

弁護士は、法律系資格の中でも帝王的な地位にあります。弁護士にしか許されない業務がある一方、他の法律系資格に許される業務は弁護士にも許されるからです。弁護士になられた皆さんは相当の努力をし、また犠牲も払っていらっしゃるでしょうから、資格の権益を侵されることに敏感になるのは、わからなくもありません。

けれど、離婚相談というのはやはり特殊な業務でしょう。弁護士資格を持つ全ての先生方が対価を取ってプロとしての仕事ができるかどうかは大いに疑問で、むしろ経験を積んだ行政書士なんかが、いい仕事をするかもしれない。

法律の壁に守られて、自分たちのギルドの権益を固守しようとする。そんな姿勢は、今はまかり通るかもしれませんが、将来性がないことは明らかです。顧客の利便なんかどこ吹く風というわけで、ビジネスの世界では通用しないような「甘ったれ」と言わざるを得ません。

救いは、これが一地方の弁護士会による(といっても、大阪はマイナーな地方ではありませんが)抗議であること。大多数の弁護士先生は、こんな「アホ」じゃありませんよね?

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