具体的に改正論議が持ち上がっているとは聞きませんが、民法の、中でも相続編について見直すなら、遺留分制度も再考の余地があると思います。
遺産相続に見る英国と欧州大陸の考え方の違い – しぬまでいきる
欧州大陸では、遺産相続を受けるのは人権の一種として認識されており、個人の判断で勝手に取り上げることができないものと見なされているのに対し、英国ではどのような遺言をするのかは個人の自由という考え方があるようだ。
日本の場合は、相続人が「その気」になれば、遺産の半分まで(相続人が直系尊属のみの場合は、3分の1まで)は取り返せる、という制度です。遺言者の自由に制限・限界を設けているというわけです。
最近、相続税率をどうするか(というか、どれだけ上げるか)というのが一部の人たちによって盛んに論じられています。遺留分も、地味ながら論じるに値するテーマだと個人的には思います。
ただ、さすがに遺留分を増やせという人はいると思えないので、対立は、現状維持派と削減派との間に生じることになるでしょうね。削減派のうち最も過激(?)な人は、廃止を言うでしょう。私もその一人。遺留分制度がなくなることは、遺言制度をとてもシンプルなものにし、使い勝手を格段に向上させると思うからです。もちろん、遺言者の自由を最大限尊重することにもつながりますし。
そんな私から見ると、遺留分制度の現状維持には積極的な利点を見出すことができません。もし一から遺言制度を設計するとしたら、こんな制度を設けることには大反対するでしょう。もし現状維持派の方がいらしたら、コメントやトラックバックでご意見をお聞かせください。
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残された家族(配偶者)の生活をも危うくする遺留分規定はいかがなものかと思う。