私が常日頃考えているのと同じようなことを、カッコ良くまとめてくれています。必読。
21世紀型企業は、社会貢献で利益を生む 時代はCSR経営を超えてSVMへ JBpress(日本ビジネスプレス)
21世紀市場においては、これら4つの競争軸に加え、第5の競争軸をマスターすることが求められている。下図のように、この競争軸を「環境革新(グリーンイノベーション)+持続可能性の追求(サステナビリティ)」と捉えることができる。
この考え方は、まだまだ経営者の間で常識化しているとは言えないでしょう。でも、この競争軸を無視する企業は生き残れない、という現実は、時間が経つにつれてますます明白となってくるはずです。
揺るぎない経営の方向感として、むしろ「トレードオン」を目指すことが必須となっている。「トレードオン」とは、私が拙著『第5の競争軸』で用いる造語の1つだが、その意味は単純明快である。
企業の価値向上と、社会価値の創造との間の “善の循環” や、明確な相乗効果を目指して取り組むことが必要だという考えである。一夜にして実行することはできないにしても、経営の認識として、そして戦略においても「トレードオン」を目標とすることが死活問題とも言えよう。
筆者は、消費者や投資家が、こうしたトレードオンを求めるのだ、と言っています(投資家についてのロジックは、正直、よくわからないのですが)。私なりに付け加えるなら、このトレードオン、有能な人間をリクルートし、気持ちよく働いてもらう上でも、今後ますます重要になってくると思います。自分を大切にする人間なら、少しでも「誇り」を持てる組織で働きたいと思うものですから。
さてこうした考え方は、日本人にとっては必ずしも初お目見えではありません。「三方よし」といった近江商人の商道徳しかり、渋沢栄一の「論語と算盤」しかり、松下幸之助の経営哲学しかり。「会社は社会の公器である」という言葉を知らない人も、まずいないでしょう。あとは、そうした考え方・哲学をどうアレンジして、現代に活かしていくか。そこが問題なのです。
少なくとも「企業がまず目指すべきは、利潤の追求だ」なんてことを口走る輩は、21世紀には要りませんね。