鳩山政権100日

投稿者: | 2009-12-24

本日、鳩山政権が発足してから100日目だそうです(自分では数えていません)。

支持率は順調に(?)下がっているようですが、私から見れば、まだこんなに支持されているというのが驚きです。とはいえ、多くの人が、この政権は短命に終わりそうだと感じ始めていることでしょう。そんな中、もう手遅れかもしれませんが、この100日の総括を。

良い点
鳩山政権について、頑張っているなぁと感じるのは、政治の意志決定のプロセスや仕組みを変えたり、無意味だったり弊害のあった慣習を打破している部分です。もちろん、事業仕分けもその一つです。

永田町や霞ヶ関に「文化革命」をもたらしつつあることは事実のようで、これは後世にも功績として称えられるでしょう。望むらくは、取り組みを継続し、改善のサイクルを回してほしいものです。取り組みの中には間違っていたり不十分だったりするものもあるでしょうから、走りながら直していっていただきたい。仮に次の総選挙で政権の座を他党に明け渡すことになっても、(最長)4年続ければかなりのことができるはずです。

ダメな点
これは多すぎるので、箇条書きにします。

  • マニフェストを簡単に反故にしていること
  • 首相のリーダーシップ・決断力の欠如
  • 閣内で言うことがバラバラ
  • 小沢幹事長の隠微な支配
  • あらゆる面で戦略性が欠けている。特にマクロ経済や財政において
  • アメリカ、皇室(宮内庁)、大企業など、「敵」を作りすぎ
  • 社民党、国民新党に振り回されすぎ
  • 国会の党首討論を逃げ続けている

どうしたらいいか
もちろん上記を全て改めてほしいのですが、それは無理な注文というもの。せめてこれだけはやってよ、というのを挙げます。2つだけ。

1)環境問題に総力を挙げて取り組む
いわゆる25%の削減目標、私は悪くないと思っています。問題は、実現に向けた具体的な道筋が見えてこないこと、そしてそのために、多くの人が「経済成長を阻害するのではないか」と思っていることです。

経済成長と環境負荷低減を両立させ、関連する技術・ビジネス・社会制度において、世界のトップランナーになる。もとより、二酸化炭素排出を劇的に減らす(あるいは、森林等による吸収を劇的に増やす)。こうしたことがいくらかでも実現できれば、それだけでも一内閣の功績としては、十分ではないでしょうか。

もちろん、実現できるという保証や確証はありません。でも、政府が「本気」になることの効果は、決して小さくないはずです。そして、鳩山由紀夫政権が「環境問題最重視」の旗を掲げることは、特に違和感もないですし。

2)社会保障制度改革を成し遂げる
これも、国民が民主党に期待していることじゃないでしょうか。負担の切り上げと給付の切り下げがズルズル繰り返されるのは、もうウンザリです。少子化が最悪の予想よりさらに進んだとしても持続し得るような制度設計、財政措置を、打ち出してもらいたい。いわば、決定版というヤツを、です。

その際には、自民党を中心とする野党にも、議論にきちんと参加してもらって、政権交代しても揺るがない制度にしていただきたい。制度の「甘さ」が選挙のたびに競われるようでは、いずれ財政の破綻は必至ですから。

政権交代を実現させた国民は、変革を望んだ。確かに、その通りでしょう。ただ、何もかも変えてくれと考えているわけではないでしょうし、まして変革の結果、混乱がもたらされることは望んでいないはずです。上記2点以外は、放置しがたい弊害が露わになっているものを除き、性急に変革しなくてもいいんじゃないでしょうか。日米同盟関係などは、その最たるものですが。

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