葬儀業界は花形産業?

投稿者: | 2010-01-07

Twitterのつぶやきを見ていても、死亡者数が増えるから、葬儀などいわゆる供養ビジネスは、これからの成長株だ、と捉えている人は多いようです。

ただ現実には、件数の上昇を上回るペースで「単価」の下落が進んでいるようで、成長産業とか花形産業と見るのは、はっきり言って誤りです。

なぜこうした単価下落が進んでいるのでしょうか。考えられる理由を、思いつくままに挙げてみます。

会葬者が減っている
じゃあなぜ減っているのかが問題ですが、端的に言うと、世代を問わず日本人全体が本音ベースになってきて、義理というものにとらわれなくなってきたということがありそうです。最近では、会葬者の絞り込みが行き過ぎて、逆に「何で参列させてくれなかったんだ」という声も、聞くようになりましたが。

業界不信
テレビなどで、業界にまつわる黒い話が紹介されることも少なくありません。また、自分や周囲で葬儀屋にぼったくられた(事実かどうかはさておき、少なくともそう思っている)経験をお持ちの方は、当然、警戒するでしょう。

医療や介護にお金を取られている
これもよく指摘されることですが、確かに小さくない要因だと思われます。

景気の問題
現状は、これも小さくない理由だと思います。まさに「無い袖は振れぬ」状態というヤツで。さしあたり好景気が訪れる気配は全くないので、少なくともここ数年の間は、単価の下押し圧力として作用するのが確実です。

金銭感覚の変化
庶民は日々、数十円、数百円の節約を心がけながら暮らしています。いっぺんに何十万から数百万のお金が飛んでいく葬儀に対しては、「もったいない」「無駄だ」という感覚が出てきても、不思議ではありません。

本人が簡素なのを望む
これは現状あまり利いている要因ではないかもしれませんが、これからますます葬儀の簡素化を推し進める「犯人」になるのではないかと、密かに思っております。そして遺言を推し進める私めは、そのお手伝いも目論んでいます。

なお、高齢化ないし長寿化を理由とする人もいます。ただそれは従来からずっと続いているトレンドなので、ここ数年で急速に進みつつある小規模化・簡素化の直接の原因とは考えにくいです。

一部の葬儀屋さんは、近い将来、葬儀の存在意義そのものが疑われるようになるのではないか、といった危機感を持っています。「葬儀屋さん、儲かってるんでしょ」という一般人の認識との隔たりは、とてつもなく大きいですね。ついでに言えば、儲かっていると思われているからなおさら、余計なお金を払いたくない、という心理も、葬儀の施主側にはあるように思われます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください